あなどれない小説でした。
鈴木さんのエッセイが好きなんで、
「コレも面白いかな?」という軽い気持ちで読んでみました。
最初はヨコ書きの仕様にちょっと戸惑いましたが、
ものすごく面白かったです。
超ブサイクな食堂の店主(年は若い)が、
着たら即ハンサムになれる「ハンサムスーツ」を手に入れるという
一見荒唐無稽なストーリーですが、随所にすごい名言が多数。
顔の皮一枚のことで浮世に翻弄される
主人公ともう一人の主人公の
哀しさとか、だからこそ心の美しさに目を向けられる
そのまなざしの潔さとか、
かなりグッと来るエピソードが満載でした。
2008年の秋に映画化されるそうですが、
それに先だって書かれたこの小説は
かなりの力作です。
他のレビュアーさんが先に書いてらっしゃる通り、
鈴木さんの人を見る温かさに
胸がジーンと来ましたよ。
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