ビジネス経済の実態を知る上で格好の一冊
ビジネス経済の実態を知る上で格好の一冊だ。経営学で価格戦略や市場メカニズム、ゲーム理論など、様々な経営学の理論の解説とそれに係る企業の実績がまとめられている。理論だけの書では実感がわかないが、この書では企業での実例も記載されているので非常にわかりやすい。
何故吉野家は牛丼を280円に値下げしたのか、松下電器の流通チャネル(いわゆるナショナルショップ中心の販売)の成功と大手量販店の出現によるその戦略の崩壊、ソニーは何故ハリウッドの映画会社を買収したのか、などなど。ビジネスの世界で起こった興味深い豊富な実例が紹介されており、たいへん参考になる。
また、この書で述べられている経営学の理論や実例は単に企業の問題だけではなく、個人、特にビジネスマンやエンジニアがこれから生きていくための術も示唆しているように思われる。特に戦略的ポジショニングの重要性は、個人もこれからは単に一生懸命努力するだけではなく(現状のスキルのみならず)、違った分野でも活躍できる能力が問われることを示唆している。
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